なぜ縮毛矯正で髪はまっすぐになるの?あなたの髪の悩みを科学で解き明かします

毎朝、鏡の前でくせ毛と格闘していませんか? 雨の日や湿気の多い日は、髪が広がるのが気になって仕方ない…そんな悩みを抱えている方も多いはずです。そんなあなたの救世主となるのが「縮毛矯正」ですが、
「そもそも、どうしてあの施術で髪がまっすぐになるんだろう?」 「髪に悪い影響はないの?なんだか難しそうでよく分からない…」
こんな風に感じていませんか?
ご安心ください。この記事では、私、美容師歴38年のイクタが、縮毛矯正の「どうして?」を、専門知識とこれまでの豊富な経験をもとに、誰にでも分かる言葉で徹底的に解説します。
縮毛矯正が髪の中でどんな「化学変化」を起こしているのか、その仕組みを一緒に探っていきましょう。仕組みを理解すれば、縮毛矯正への不安がスッと消え、失敗せずに理想のサラサラ・ストレートヘアを長く楽しむことができるようになりますよ。
さあ、あなたの髪の悩みに「終止符」を打つための第一歩を、この記事から踏み出しましょう!

クセの種類
「クセ毛」と言っても、その種類は様々です。自分のクセの種類を正しく理解することで、縮毛矯正の適切な施術方法や薬剤選びに繋がり、理想の仕上がりへと近づけます。
波状毛(はじょうもう)
- 特徴: 波のような、緩やかなS字カーブを描くクセ毛です。湿気によって広がりやすく、スタイリングが崩れやすいのが特徴です。
- 原因: 毛包(毛穴)の形状が楕円形であることや、毛髪内部のタンパク質の偏りが原因と考えられています。
- 見た目の印象: 広がりやすく、まとまりにくい。パーマをかけたような印象に見えることもあります。
捻転毛(ねんてんもう)
- 特徴: 髪の毛一本一本がねじれているようなクセ毛です。光を乱反射しやすいため、ツヤが出にくく、パサついた印象に見えやすいです。
- 原因: 毛包の形状が不規則であることや、成長過程でのねじれなどが考えられます。
- 見た目の印象: ゴワつきやすく、手触りがザラザラしていることが多い。乾燥して見えやすい。
縮毛(しゅくもう)
- 特徴: 細かく強いねじれがあり、チリチリとした質感のクセ毛です。日本人を含むアジア人に比較的多く見られます。非常に湿気に弱く、少しの湿気でも大きくうねり、まとまりにくいのが特徴です。
- 原因: 毛包の形状が非常に扁平であることや、毛髪内部のタンパク質の分布が不均一であることが主な原因です。
- 見た目の印象: ボリュームが出やすく、乾燥して見えることが多い。スタイリングが非常に難しい。
連珠毛(れんじゅもう)
- 特徴: 髪の毛の一部が数珠のように太くなったり細くなったりしている珍しいクセ毛です。切れやすく、非常にデリケートな髪質です。
- 原因: 毛髪の成長過程における異常が原因と考えられていますが、詳しいメカニズムはまだ解明されていません。
- 見た目の印象: 髪の表面が凸凹しており、手触りも独特です。
複合的なクセ毛
あなたのクセはどのタイプでしたか? ご自身のクセの種類を理解することで、次の縮毛矯正のプロセスへの理解がより深まります。
縮毛矯正の5つのプロセス
髪の洗浄 – 薬剤浸透の土台作り
縮毛矯正の第一歩は、髪の毛の表面に付着した汚れや余分な油分、スタイリング剤などを丁寧に洗い流すことから始まります。これは、次に使用する薬剤(還元剤)が髪の内部にムラなく、しっかりと浸透するための非常に重要な準備段階です。
シャンプー選びの重要性: ここで使用するシャンプーは、できる限り余計な成分(シリコン、油分、コーティング剤など)が含まれていない、サロン専用の素髪に近い状態に戻すシャンプーが理想的です。余分な成分が残っていると、還元剤の浸透を妨げ、縮毛矯正の効果を十分に発揮できない可能性があります。
還元剤の塗布 – 髪の形状記憶をリセット
いよいよ縮毛矯正の核心となるステップです。洗浄後の髪に、「還元剤」と呼ばれる薬剤を丁寧に塗布していきます。この還元剤が、髪の毛の形を決めているS-S結合(シスチン結合)を一時的に切断する役割を担います。
還元剤の種類:還元剤には様々な種類があり、チオグリコール酸、システアミン、チオグリセリン、システインなどが代表的です。
近年では、酸性ストレートと呼ばれる、pHが酸性領域の還元剤も注目されています。こちらは、従来のアルカリ性の還元剤に比べて髪への負担が少ないとされていますが、高い技術が必要です。
チオグリコール酸: 還元力が強く、しっかりとしたストレートにしたい場合に用いられますが、髪への負担も大きくなる可能性があります。
システアミン: 比較的穏やかな還元力で、ダメージを抑えたい場合や、柔らかい質感のストレートを目指す場合に用いられます。
チオグリセリン: 刺激が少なく、デリケートな髪質にも使用しやすいとされています。
システイン: 髪の主成分であるアミノ酸の一種で、比較的マイルドな作用が特徴です。
アイロン処理 – 新しい形状を記憶させる
還元剤によって自由に形を変えられるようになった髪の毛を、ストレートアイロンを使って丁寧に伸ばしていくのがこのステップです。美容師の技術とセンスが最も問われる工程と言えるでしょう。
アイロンの温度と時間: 髪質やダメージレベルに合わせて、アイロンの温度や髪にあてる時間を細かく調整します。高温すぎると髪を傷めてしまい、低温すぎるとしっかりとストレートにならない可能性があります。
酸化剤の塗布 – 新しい形状を固定する
アイロンでまっすぐな形状に整えられた髪の毛に、「酸化剤」と呼ばれる薬剤を塗布します。この酸化剤は、ステップ2で切断されたS-S結合を、新しいまっすぐな状態で再結合させる役割を果たします。
酸化剤の種類: 主な酸化剤としては、過酸化水素水や臭素酸ナトリウムなどが用いられます。
- 過酸化水素水: 比較的穏やかな作用で、様々な髪質に使用されます。
- 臭素酸ナトリウム: しっかりとした酸化力があり、持ちが良いとされています。
仕上げ – 髪を保護し、美しいストレートヘアへ
全ての薬剤処理が終わったら、最後に髪を丁寧に洗い流し、トリートメントを施します。このトリートメントは、縮毛矯正によって一時的に負担のかかった髪に潤いや栄養を補給し、キューティクルを整えて保護する役割があります。
髪の毛の秘密:あなたの髪は何でできているの?
はい、「髪の毛の秘密:あなたの髪は何でできているの?」について、専門知識がない方にもとっても分かりやすく解説しますね!
私たちの髪の毛って、見た目は細くてフワフワしているけれど、実はすごくしっかりした「タンパク質」でできています。このタンパク質、まるで体を守る盾のような役割をしているんですよ。
髪の毛の「芯」:コルテックス(約85%)
髪の毛のほとんど(約85%)を占めているのが、「コルテックス」という部分です。ちょうど、木の幹の太い部分をイメージすると分かりやすいかもしれません。
このコルテックスの中には、**「ケラチン」という特別なタンパク質がたくさん詰まっています。そして、このケラチン同士がまるでハシゴのようにつながり合っているのが、「S-S結合(エスエス結合)」**と呼ばれるものです。
- S-S結合って何?
- このS-S結合こそが、あなたの髪の毛が**「まっすぐ」だったり「くるくる」だったりする形を決めている**、とっても大切なカギなんです!
- 例えるなら、髪の毛の中にある**「形状記憶のネジ」**のようなもの。このネジがまっすぐ固定されていればストレートに、曲がって固定されていればくせ毛になる、というイメージです。
髪の毛の「外側」:キューティクル(約10%)
髪の毛の表面をウロコのように覆っているのが**「キューティクル」**です。ちょうど、魚のウロコや竹の子の皮をイメージしてください。
- このキューティクルは、髪の内部(コルテックス)を外部の刺激から守ったり、髪の水分や栄養分が逃げ出さないように閉じ込めたりする役割をしています。
- キューティクルが整っている髪は、ツヤがあって指通りがなめらか。一方、キューティクルが剥がれてしまうと、髪はパサつき、ツヤがなくなり、ダメージを受けやすくなってしまいます。
髪の毛の「中心」:メデュラ(約5%)
髪の毛の真ん中には、**「メデュラ」**という芯のような部分があります。これは髪によってはなかったり、途切れていたりすることもあります。
- メデュラの役割はまだ完全には解明されていませんが、髪の太さや質感に関わっていると言われています。
まとめ
あなたの髪の毛は、主に**「ケラチン」というタンパク質でできていて、そのタンパク質が「S-S結合」というカギでつながり合うことで、それぞれの髪の形が決まっています。そして、その大切な髪の内部を「キューティクル」というウロコが守っている、というわけです。
縮毛矯正は、この「S-S結合」にアプローチして、髪の形を変える施術なんです。これで、髪の毛の基本的な仕組みなんです。
縮毛矯正の主役!2つの薬剤が髪に起こす驚きの変化
さて、髪の毛が何でできているか、少し分かりましたか? 髪の形を決めている大切な「S-S結合」というのが
カギ。このカギが、まっすぐになったり、くるくるしたりする原因でしたね。
縮毛矯正では、この「S-S結合」というカギを、2つの特別な薬剤を使って、髪の毛の形を自由に変えていきます。まるで、魔法の鍵と錠前のような関係なんです!
魔法の鍵、その1:1剤(開ける薬剤)
まず、美容師さんが髪に塗るのが「1剤」と呼ばれる薬剤です。
例えるなら、この1剤は、髪の毛の中にある「S-S結合」というカギを「一時的にゆるめる」役割をします。
- 何が起こるの?
- 1剤が髪に浸み込むと、今まで髪の形をしっかり固定していたS-S結合が、フニャフニャと柔らかく、自由に動ける状態になります。
- この時、髪は少しだけ柔らかくなり、触るといつもと違う感触になるんですよ。
- この状態になった髪は、まるで粘土のように、どんな形にも変形させられる準備ができた状態です。
魔法の鍵、その2:2剤(閉じる薬剤)
1剤を洗い流し、アイロンで髪をまっすぐにした後、次に塗るのが「2剤」と呼ばれる薬剤です。
この2剤の役割は、まっすぐになった髪の毛の形で「S-S結合」というカギを「しっかりと閉じ込める」こと。
- 何が起こるの?
- 2剤が髪に浸み込むと、バラバラになっていたS-S結合が、アイロンで作ったまっすぐな形通りに、ピタッと元通りにくっつき直します。
- これで、髪の毛は新しい「まっすぐな形」をしっかり記憶し、その形が固定されるんです。
- まるで、熱して柔らかくした粘土が、冷えて固まるように、髪も新しい形で安定します。
まとめ
縮毛矯正の薬剤は、この2つのステップで髪の毛の形を変えています。
- 1剤でS-S結合を「ゆるめて」形を変えられるようにする
- アイロンで「まっすぐな形」に整える
- 2剤でS-S結合を「閉じ込めて」その形を固定する
この「ゆるめる」→「形を整える」→「固定する」というシンプルな仕組みで、あなたのくせ毛はサラサラのストレートヘアに大変身するんですよ。
これが、縮毛矯正の薬剤が髪の中で起こしている、驚きの「魔法の仕組み」なんです。これで、少しは縮毛矯正のことが身近に感じられましたか?
まとめ
縮毛矯正は、この「ゆるめる(1剤)」→「形を整える(アイロン)」→「固定する(2剤)」というシンプルな3ステップで、あなたのくせ毛をサラサラのストレートヘアへと変身させているんです。
この仕組みを理解すれば、縮毛矯正が髪にどんな変化をもたらすのか、そしてなぜプロの技術が必要なのかが分かりますね。これで、あなたの縮毛矯正に対する不安も解消され、理想のストレートヘアへの一歩を踏み出せるはずです。
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